産後の骨盤矯正
今回は、出産後の骨盤調整についてお話をしたいと思います。
よく「産後の骨盤矯正」と言う言葉を耳にするかと思いますが、基本的には普段から行っている骨盤矯正と大して変わりはありません。ただ後からご説明もいたしますが、出産後の骨盤矯正は時期が大切になってきます。そこでいろいろな疑問をお答えしていきたいと思います。
骨盤とは?
骨盤は左右の寛骨・仙骨・尾骨から成り立ちます。これらが「恥骨結合」「仙腸関節」の2つでつながって1つの大きな「骨盤」となります。
この「恥骨結合」「仙腸関節」は通常ほとんど動くことがないのですが、妊娠中に卵巣から分泌される「リラキシン」と女性ホルモンの作用によって、つないでいる靭帯が緩みます。ここが緩むことで、出産の時に赤ちゃんが産道をスムーズに取れるようになるのです。
骨盤の靭帯(じんたい)が緩むと体に不具合が起きる?
出産の時に伸びた靭帯が元に戻るまでは、およそ3ヶ月かかると言われています。
高齢出産や授乳姿勢などによっては、6ヶ月以上も元に戻らないことがあります。 靭帯が緩むと、関節が動きやすくなり、体の支えが不安定になります。その不安定さを骨盤周りの筋肉が支えようとするために、腰はもちろん、いろいろな体の不具合が起きてきます。
出産において骨盤はどのように動くのか?
出産前
ニューテーション(仙骨が前方に骨盤底が開き腸骨が閉じる) が起きます。
出産後
3ヶ月かけてカウンターニューテーション(仙骨が後方に骨盤底が閉じる腸骨が開く) が起きるというサイクルがあります。
骨盤矯正はいつから受ければ良い?
産後3ヶ月以内はカウンターニューテーションが起こっているので、関節の調整はしなくても良いことになります。そのため、3ヶ月たっても骨盤が元の位置に戻りきらなかった場合に対して調整を行ってきます。
ただし、出産前の安定期から臨月までと、出産後3週以降から3ヶ月までの間に痛みや不調を訴える方には、骨盤に関わる筋肉の調整を行います。
産後骨盤が戻らないと問題はある?
正しい位置に戻っていれば良いのですが、そうでない場合は体の不調はもちろん、見た目の問題も出てきます。
体の不調
骨盤周囲の血流が悪くなり、脂肪の燃焼がうまくいかなくなってしまうため、太りやすく、またゆがみのために、骨盤や股関節周囲に不具合が発生したり、肩こり、腰痛、むくみ、冷え性や不妊などの婦人科系トラブルにもつながることもあります。
見た目
- 姿勢が悪くなり猫背になる。
- 内臓が下がってしまうことでお腹が出てしまう。
- お尻が下に下がることで、下半身に余計な脂肪がついてしまう。
などなどです。
ストレッチなど、自分でできることはある?
まずは授乳のときの姿勢など、できるだけ猫背にならないように気をつけてください。ストレッチなどもありますが、言葉ではなかなか説明しづらいので、施術の際、直接私にお尋ねください。
まとめ
産後の骨盤矯正は、基本的には自然と元に戻りますので必ずしも必要なものではありません。まずは、妊娠中や出産後に痛みがあるかどうかが、施術が必要かどうかの判断基準になります。
痛みがなくても、施術を受けることで正しい位置に骨盤が戻りやすくなる、というメリットはあります。目的に合わせて施術計画を組み立てますので、ご相談ください。