昔の古傷(ふるきず)に気を配ろう
今回は、「もしかすると昔の古傷が関係して身体の不調を起こしているかもしれない」というお話を、私個人の考えを交えながら、特に手術痕(しゅじゅつこん)の癒着(ゆちゃく)についてお話していきたいと思います。
癒着(ゆちゃく)とは?
本来離れているべき組織同士が臓器・組織面がくっついてしまうことを言います。手術によって傷ついた正常な組織同士を縫合すると、その組織はくっついて自然に治癒(創傷治癒)します。しかし、治癒の過程で本来は離れている組織同士がくっつくことがあり一般にこれを「術後癒着」と呼びます。
Wikipediaより
この「術後癒着」が身体の不調を起こしたり、関節の動く範囲を邪魔したり、といろんな影響を出したりします。
古傷について、いつ話せばいいのか?
初めてよしどめ整体院に来られた時に、カルテにも書いていただきますが、施術に入る前にも身体についていろいろお話を聞かせていただきます。
しかし、どうしても昔のことですし、まして子供の時のケガや手術のことなどは、ほとんどの方が忘れていることが多く、人によっては30年、40年前のことになることもあります。何回かの施術時に「そういえば!!」と思い出されることがほとんどです。
癒着がなぜ原因となるの?
癒着そのものは身体の正しい反応なのですが、隣り合う皮膚や筋肉・骨など周りの組織との間で癒着が起きてしまうと、お互いがくっついてしまい、引っ張り合ってしまいます。
それが関節の周りで起こってしまうと、関節を動かす時に皮膚が突っ張ったり、筋肉がうまく動かないなどの問題が発生してしまうのです。そうなると、関係のない関節や筋肉が頑張らなければならなくなり、結果として、他の場所まで問題が広まってしまうことになるのです。
特にどんな手術後が問題を起こしやすいのか?
どんな手術後が問題となるとは言いがたいですが、実際に施術をしている中では
- 腰や肘の手術
- 帝王切開
- 盲腸
- 腹部
- アキレス腱
など・・・が問題を起こしていることが多いように思います。
例えば、腰が痛いと来院され、なかなか不調が落ち着かず、細かくお話を聞いてみると過去の帝王切開が問題を起こしていることがありました。帝王切開の傷跡が癒着し、皮膚や筋肉の動きを制限していました。
他にも、昔のねんざがひざの不調を出していたり、肩や膝の脱臼が、首や腰の不調に関係していたこともありました。
やはり、身体はつながっているので、不調を起こしている部分だけでなく、身体全体をみなければいけない、調整しなければいけない、と施術をしていて感じます。
自分でできることはあるのか?
施術の時にも行いますが、癒着している手術痕の皮膚をつまんで上に引っ張ります。これで癒着している組織に刺激が入り、少しずつですが動きが出てきます。癒着している場所は皮膚がつまみにくいので、そこは頑張って引っ張ってください。
最後に
そもそも不慮の事故でない限り、ほとんど身体の問題は、バランスが崩れることによって起きています。そのようにならないためにも、日頃の身体のメンテナンスや姿勢、靴の履き方などに気を付ける必要があると考えます。